人は誰もが歳を重ね、身体機能の変化は避けられないものです。
今まで気にならなかった小さな段差でつまずいたり、転倒したりする危険は、加齢とともに増していきます。
大切なご自宅を、将来にわたって安心して快適に暮らせる場所にするために、バリアフリーリフォームは非常に有効な選択肢です。
特にここ福山でリフォームを検討されている皆様へ、比較的簡単に行えるバリアフリーリフォームと、活用できる最新の助成制度についてご紹介します。
バリアフリーリフォームを考えるタイミング

バリアフリーリフォームを行うタイミングは人それぞれです。
大きく分けて以下の3つのケースが考えられます。
- ①必要になってから検討・実施する
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実際に生活の中で不便を感じたり、事故が起こりそうになったりしてからバリアフリー化を進めるケースが最も多いかもしれません。
- ②他の箇所のリフォームに併せて行う
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例えば水回りの改修や間取り変更など、別のリフォーム工事のついでにバリアフリー要素を取り入れることで、効率的に進めることができます。
- ③将来を見越して早めに実施する
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まだ身体が元気なうちに、将来の安心を見据えて計画的にリフォームを行うケースです。
予算に余裕がある場合や、大規模な改修を伴う場合はこのタイミングがおすすめです。
多くの方が「必要に迫られてから」という状況でバリアフリー化を検討される傾向にありますが、どのようなタイミングであっても、まずは比較的簡単に行える箇所から始めるのがおすすめです。
比較的簡単に行えるバリアフリーリフォーム
本格的な介護リフォームから、日々の安全性を高めるための小さな改修まで、バリアフリーリフォームには様々な方法があります。
ここでは、比較的簡単に行える工事をいくつかご紹介します。

1. 階段への手すりや滑り止めの設置
内閣府が公表した「高齢社会白書」でも指摘されているように、屋内での事故が多い場所の一つが階段です。
特に築年数の古い住宅では、階段の勾配が急な場合も少なくありません。
階段の架け替えは大規模な工事になりますが、手すりの設置であれば比較的短期間で工事が可能です。
- 手すりの設置
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立ち上がりや昇降時のバランスを補助し、転倒防止に役立ちます。
使用する方の身長や動作に合わせて適切な高さ・位置に取り付けることが重要です。
壁に下地がない場合でも、最近では下地工事不要で設置できる製品もあります。 - 滑り止めの設置
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階段の踏み面に滑り止め材を貼ることで、足元が滑るリスクを軽減し、より安全な昇降をサポートします。
2. 玄関ドアの引き戸化または開口部の拡張
車いすを使用する生活になった際、開閉のしやすさや開口部の広さは非常に重要です。
- 開き戸から引き戸への変更
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一般的な開き戸は、開閉時に前後のスペースが必要となり、車いすでの移動や介助時に不便を感じることがあります。
引き戸にすることで、開閉スペースが不要になり、スムーズな出入りが可能になります。
アウトセット引き戸など、既存の壁を壊さずに設置できるタイプもあります。 - 開口部の拡張
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玄関が引き戸の場合でも、障子を3枚建にするなどの工夫で、既存よりも開口幅を広げられる製品もあります。
これにより、車いすやベビーカーでの出入りが格段に楽になります。
3. 浴室のバリアフリー化
タイル貼りの浴室は冬場に冷え込みやすく、滑りやすいといったリスクがあります。
- ユニットバスへのリフォーム
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ユニットバスは、浴槽のまたぎ高さが低く設定されており、床材も滑りにくい素材が使われているものが多く、バリアフリーへの適合性が高いのが特徴です。
断熱性も高いため、ヒートショックのリスク軽減にもつながります。 - 簡易的な段差解消と滑り止め対策
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既存の浴室を活かす場合は、洗い場にすのこを敷いて段差を解消したり、滑りにくい浴室マットを設置したりすることで、転倒リスクを減らすことができます。
浴室暖房乾燥機の設置も、冬場のヒートショック対策として有効です。

4. トイレの手すり設置と扉・段差の解消
トイレは、立ち座りの動作や狭いスペースでの移動が必要となるため、事故が起こりやすい場所の一つです。
- 手すりの設置
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立ち座りの動作を補助する手すりは、トイレのバリアフリー化において非常に重要です。
使用する方の身体状況や動作に合わせて、縦型や横型の手すりを選びます。 - 段差の解消
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築年数の古い建物では、トイレと廊下の間に段差があるケースが多く見られます。
段差を解消する工事や、スロープの設置などでつまずきを防ぎます。 - 開き戸から引き戸への変更
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浴室と同様に、トイレの扉も開き戸から引き戸に変更することで、狭い空間でも開閉がしやすくなり、車いすでの利用や介助がスムーズになります。
- 洋式便器への交換
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和式便器を使用している場合は、洋式便器への交換は足腰への負担を大きく軽減します。
高齢者住宅改修費用助成制度(介護保険)の活用について

バリアフリーリフォームには費用がかかりますが、福山市では「高齢者住宅改修費用助成制度」として、介護保険による住宅改修費の支給制度が設けられています。
この制度を上手に活用することで、自己負担を大幅に軽減することが可能です。
【制度の概要】
【対象者】
要支援または要介護認定を受けている方のご自宅が対象です。
【支給限度額】
介護保険からの支給は、原則として対象工事費用の20万円が上限(支給限度基準額)となります。
この20万円までは、費用の7割から9割が介護保険から支給されます。
つまり、自己負担は1割から3割で済みます。
【対象となる工事】
- 手すりの取付け
- 段差の解消(スロープ設置、床のかさ上げなど)
- 滑りの防止や移動の円滑化のための床材または通路面の変更
- 引き戸などへの扉の取替え(ドアノブの変更や扉の撤去を含む)
- 洋式便器などへの便器の取替え
- 上記に付帯して必要となる住宅改修
【申請の流れ(重要)】
必ず工事着工前に、担当のケアマネージャーに相談し、福山市へ事前届出書を提出する必要があります。
事前届出がない場合、助成の対象外となることがありますのでご注意ください。
工事完了後に、領収書などを添えて支給申請を行います。
【再利用の特例】
原則として一度利用すると20万円の限度額に達するまで利用できませんが、以下の場合に限り、再度20万円を限度として利用できる場合があります。
- 介護度が3段階以上高くなった場合
- 引っ越しをした場合
介護保険制度は、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう支援するための大切な制度です。
この制度を積極的に活用し、負担を軽減しながら安全で快適な住まいづくりを実現しましょう。
福山のリフォームは「Reくらす」にご相談ください

バリアフリーリフォームは、単に工事を行うだけでなく、実際に住まう方の身体状況や生活スタイルに合わせた計画が重要です。
福山市でリフォームを検討されている方は、ぜひ「Reくらす」にご相談ください。
お客様一人ひとりのニーズに寄り添い、最適なリフォームプランをご提案いたします。
高齢化社会が進む現代において、バリアフリーリフォームはもはや特別なものではなく、誰もが安心して暮らせる住まいを実現するための大切な要素です。
簡単な工事からでも、まずは一歩踏み出してみませんか。